企業理念と経営理念は何が違うのか

企業理念とは、企業の存在意義を言葉にしたもの。「この企業はこういうことを大切にしている企業ですよ」「世の中にこういう貢献をしていますよ」と説明をするもので、創業者の思いを反映させていることが多いです。そして経営理念とは、企業理念で説明した企業の姿をどうやって実現しているのか、これからもどのように成長していくのかの経営の方法を説明しています。

基本的に企業理念は企業のあり方の指針なので普通はずっと変わりませんが、経営理念は経営者が変わると内容が変わることがあります。経営の方法なので、その時の社会の価値観や経営者の考え方が反映されるからです。2つの言葉は広い意味では同じもので混同されることも多いですが、このように正確には違うものです。企業や施設の資料、ホームページにはどちらか一方が記載されていることがありますが、あり方の説明なのか方法の説明なのかが分かります。最近では経営ビジョン、運営理念、スローガン等の言葉も使われますが、これらも経営理念と同じく方法を説明したものです。

理念は、分かりやすく納得のできるものが良いとされています。そして、経営陣から現場のスタッフまで浸透していなければ意味がありません。介護の世界に限らず、理念とは働くみなが同じ方向を向けるようにする指針だからです。理念は、利用者側にもどんな施設なのか、どんな風に迎え入れてくれるのかを説明してくれます。「スタッフでサービスや対応がバラバラだ」では、がっかりしてしまうもの。理念は社会からの信頼を得るための企業の軸でもあるのです。